「現金を持ち運びたくない」
「貯めているマイルやポイントの還元率が高い」
などの理由で、普段の買い物にクレジットカードを使用している人も多いですよね。
そんな便利なクレジットカード、実はキャッシング機能も付いています。
しかし注意点も多く、知らずにキャッシングすると損する落とし穴もあります。
今回は、クレジットカードでキャッシングする方法から注意点までお伝えします。
クレジットカードを使ってお金を借りようか迷っている方は参考にしてください。
クレジットカードのショッピング枠とキャッシング枠
JCBが行った「クレジットカードに関する総合調査」によると、2018年の日本人のクレジットカード保有率は84%、平均保有枚数は3.2枚だったそうです。
一人あたりの保有枚数は平均3.2枚、携帯枚数(実際に持ち歩くクレジットカードの枚数)は平均2.1枚で、どちらも昨年と同様であった。
最近は国をあげてキャッシュレス推奨していますし、今後もクレジットカードを使う人が増えていくとみられます。
それだけ普及しているクレジットカードですが、普段「ショッピング枠」は利用して仕組みや使い方を理解していても、「キャッシング枠」についてはよく知らない人が多いのではないでしょうか?
ショッピング機能は買い物の支払いに利用できる

クレジットカードの代表的な機能が「ショッピング枠」です。
クレジットカードごとにショッピング枠とよばれる限度額が設定されており、枠内なら自由に買い物やサービス支払いに利用することができますよね。
返済は原則1回払い(希望すれば分割払いも可能)となり、翌月以降の決まった日に返済金額が引き落とされます。
ショッピング枠の支払回数と金利について
ショッピングで利用した分の支払い回数は、
- 1回払い・2回払いと回数を指定する分割払い
- 毎月定額を指定して返済していくリボ払い
- 引き落とし月をボーナス月まで飛ばすことができるボーナス払い
があります。
1回払い、2回払い、ボーナス払いは手数料(金利)がかかることはありません。
リボ払いは利息(=手数料)がかかります。
仕組みを知らずに「少額払えばいいから楽」という考えでリボ払いをすると大変な目にあうケースが多いので、気をつけてくださいね。
一回払いが基本です。
リボ払いについては「キャッシングリボで損する前に!リボ払いの注意点と賢い利用方法」で詳しく紹介していますので参考にしてください。
キャッシング枠でお金を借りることが可能に

クレジットカードにはショッピング枠とは別に、買い物用ではなくお金を借りるための限度額として「キャッシング枠」が設定されています。
クレジットカードを発行すると、ショッピング枠○○万円、キャッシング枠〇〇万円と記載された台紙にカードが貼り付けられて送付されてくるので、見かけたことがある人も多いはず。
お手持ちのクレジットカードにキャッシング枠が設定されていれば、すぐに利用できます。
設定していなければ、別途審査を申し込む必要があります。
キャッシング枠の支払回数と金利について
クレジットカードでキャッシングを利用した場合、返済は1回払いか、毎月定額を返済していくリボ払いが選べます。
キャッシングの利用には1回払いでも、借りていた日数分の利息がかかる点がショッピング枠との大きな違いです。
ショッピング枠では2回払いまでは利息がかかりません。
ショッピングは「代金の立替払い機能」であり手数料はお店側が負担してくれますが、キャッシング機能は「お金を借りる機能」なので、当然のように金利が設定されているからです。
クレカのキャッシングの特徴
カード会社によりますが、クレジットカードのキャッシングの特徴はおおよそ下記のようになります。
- 借入れ枠:10~300万
- 年率:12~18%
- 借入可能額:年収の1/3まで
- 学生も未成年も利用可能
すでにキャッシングできるクレジットカードを持っていれば、新たに借入用のカードを作る手間もありません。
普段使っているカードと暗証番号でATMで現金を借りることができるので、家族にもバレにくいですよ。
クレクットカードでキャッシングする方法
ここからは、クレジットカードを使ってキャッシングでお金を借りる具体的な方法について紹介していきます。
1.キャッシング枠を確認
まずはあなたのクレジットカードにキャッシング枠が設定されているかを確認しましょう。
確認する方法としては、
- クレジットカードの会員サイト(マイページ)で確認する
- クレジットカードの利用明細書で確認する
- 問い合わせデスクへ電話して確認する
があります。
2.キャッシング枠の設定申込みと審査
もし、お持ちのクレジットカードにキャッシング枠が設定されていなくても大丈夫です。
インターネットか電話でキャッシング枠の設定を申し込みをして、審査が無事に通ればキャッシングの利用ができるようになります。
クレジットカード作成時に審査・在籍確認等しているので、キャッシング枠設定のために改めて在籍確認することは少ないようです。
(※ただし絶対ないということではありません)
申込・審査においての注意点
学生や未成年でもキャッシング枠の申込みはできますが、唯一収入がない人だけは申込みができません。
専業主婦になる見込みがある人は、仕事をしているうちに審査申込をしましょう。
またカード会社や借入希望枠の金額によっては、源泉徴収票などの収入を証明する書類の提出が必要となる場合もあるので、書類がその場にない場合は即日融資が厳しくなりますね。
勤務地など個人情報が古いと時間がかかる
クレジットカードを作成した時と現在で勤務地が変わっている場合、キャッシング枠の審査時に在籍確認が行われる可能性が高く、時間がかかることになります。
結婚や転職など、個人情報が以前と変わった人は変更を早めにしておきましょう。
3.キャッシングしてお金を借りる
クレジットカードに無事キャッシング枠が設定されていることを確認できたら、あとはお金を借りるだけです!
ATMを利用してお金を借りる
コンビニや銀行など金融機関のATMにキャッシング枠が設定されたクレジットカードを入れて、「お借入」を選択し金額を指定すれば、その場で即時に現金を借りられます。
インターネットを利用してお金を借りる
インターネットでクレジットカードのマイページにログインして、金額を指定して指定口座に振り込んでもらうお金の借り方も可能です。
4.返済は引き落としが基本
クレジットカードでキャッシングしたお金は、ショッピングの利用分と一緒に銀行口座から振替払いで返済していきます。
金利(手数料)と合わせて一括払いか、毎月定額を金利と一緒に払っていくリボ払いがあります。
リボ払いの場合、キャッシング枠の設定申し込み時に指定した金額か、カード会社各社の設定する借入額に応じた最低支払額を毎月返済していくことになります。
返済金額を増額すれば金利手数料を抑えられる
リボ払いはどうしても返済期間が長くなり、その分金利負担が大きくなりがちです。
できるだけ利息を少なくしたいなら、月々の支払額を増額検討してみましょう。
- 毎月の支払額をずっと増額:インターネットや電話で増額を設定
- 臨時で支払額を増額:事前申し込みで引き落としの他、ATMや振込
金利手数料が安くなり、返済期間も短くなったりと繰り上げ返済はいいこと尽くしです。
ぜひ余裕がある人は繰り上げ返済を利用してみてくださいね。
詳しくは別記事「カードローンの金利は繰り上げ返済で安くなる?」で解説しています。
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キャッシング枠の落とし穴に注意!
身近な存在のクレジットカードなのでキャッシングする際も利用しやすいですが、注意点もあります。
クレカのキャッシングは下限金利が高め
クレジットカードのキャッシングは、銀行カードローンや消費者金融などほかのキャッシング方法に比べて金利が高めです。
といっても上限は高くても18%なので、消費者金融と大きな差は感じないかもしれません。
差が出るのは下のほうの金利です。
クレカと消費者金融では下限金利に大きな差
クレジットカードと消費者金融のキャッシングでは下限金利に大きな差があります。
消費者金融は下限金利を3%~4.5%に設定するところが多いですが、クレジットカードの場合、下限金利でも一桁のところは少ないです。
簡単にクレカのキャッシング枠と消費者金融の下限金利を比較してみました。
比較対象 | 実質年率の下限 | |
クレジットカード | Orico Card THE POINT | 15% |
dカード | 18% | |
楽天カード | 18% (条件次第で15%) |
|
消費者金融 | プロミス | 4.5% |
アイフル | 4.5% | |
アコム | 3% |
キャッシングの金利は借りる人の信用力で決まりますが、借りる額が大きいほど金利は低くなるのが一般的。
そのため、少額キャッシングの場合は下限金利を気にする必要はほぼありません。
借りる額が小さければ金利の差は少ないですが、先々のことを考えてみると金利の幅は狭いよりは広い方がいいですね。
一体型カードでは自分のお金と錯覚しやすい
クレジットカード一体型のキャッシュカードを使っている方も多いと思います。
一体型の場合、自分のお金を口座から引き出すのと同じ感覚でキャッシングできてしまうため、だんだんと自分の預金をおろしている感覚になってしまい、つい無駄にキャッシングしてしまう・・・というケースがあります。
キャッシングは利用した瞬間から金利が日々積み重なっていきます。
キャッシングで引き出すお金は自分のお金ではありません!
あくまで借りているお金だということをお忘れなく。
クレカのキャッシングには総量規制が適用される
現在は貸金業法によって、お金を借りられる金額は年収の1/3までと決められています。
これはクレジットカードのキャッシングにも適用されます。
ただし、何枚かもっているクレジットカードのキャッシング枠の合計が年収の1/3を超えているだけでは、特に問題ありません。
持っているカードすべてのキャッシング枠を使い切っても、すぐに規制されることは考えにくいです。
ところが信用情報機関に利用履歴は登録されるため、次回のカード更新時などにキャッシング枠減額や、最悪更新できない・・・ということになりかねません。
キャッシング枠があるからといってむやみに利用はせず、本当に必要な分だけをキャッシングするようにしましょう。
自分が今どれくらい借りているのか定期的に確認する習慣をつけておくのをオススメします。
キャッシング枠はショッピング枠の中に設定される
ここまでショッピング枠・キャッシング枠それぞれについて説明してきましたが、実はそれぞれが独立した枠を持っているわけではありません。
キャッシング枠はショッピング枠の中に設定されているんです。
例えばショッピング枠100万円、キャッシング枠30万円のクレジットカードを例にすると、次のようになります。
- ショッピングだけで利用するなら100万円まで使える
- キャッシングだけで利用するなら30万円まで使える
- ショッピングで90万円使っている場合、キャッシングで使えるのは10万円までとなる
- キャッシングで30万円使っている場合、ショッピングで使えるのは70万円までとなる
ショッピング枠をいっぱい使っていれば、キャッシングはできないということです。
ご自分のクレジットカードのそれぞれの枠を一度確認してみてくださいね。
クレジットカードの現金化は絶対にダメ!
クレジットカードでお金を手にする方法として、「クレジットカードの現金化」という言葉を目にすることもあると思いますが、利用は絶対にしないでください。
クレジットカードの現金化とは、クレジットカードで買い物をさせた物品を何割か差し引いた金額で買い取ったり、キャッシュバックしてくれるという業者の手口です。
これをおこなう業者は古物営業の許可をとっていたりするので、違法にはなりません。
が、現金化という行為はクレジットカードの会員規約違反にはなりますので、クレジットカードの強制解約をされたとしても文句は言えません。
また、一時は現金を手に入れられますが、クレジットカードで支払った代金の請求が消えるわけではないので、メリットはひとつもないといっていいです。
まとめ:クレカは秘密で借入可能
クレジットカードのキャッシングは、大きな金額でないならば、家族に秘密に利用したい人にとって一番オススメだと個人的には思っています。
クレジットカードによりますが、毎月の返済も5,000円くらいからのものもあるので、月々の生活費からねん出しながら返していくにも負担になりにくいですよね。
キャッシングするときの選択肢として考えてみてもいいと思います。